『ホワイトカラーエグゼンプション』残業代ゼロで得するのはだれ?




 労働時間の規制がない「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入、厚労省が検討をしている。この制度を導入しようとしている政府にはどのような狙いがあるのか?この制度は政府が導入を推進しているが、この制度には企業の狙いも大きく影響しているのは間違いないだろう。

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労働時間の規制がない「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入、厚労省が検討

厚生労働省は23日、高収入の専門職に限り、働く時間を自己裁量とする代わりに残業代の支払いなどの労働時間規制を適用しない「ホワイトカラー・エグゼンプション」を導入する方向で検討に入った。金融機関のディーラーなど労働時間を自己裁量で決めやすい職種が対象となる見通しで、年末までに労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で年収基準などを検討する。

 田村憲久厚労相は23日の記者会見で「(対象となる職種が)成果をしっかり測ることができるのであれば、効率的に働けばワーク・ライフ・バランスがよくなる」と導入の意義を説明した。

 ホワイトカラー・エグゼンプションは原則1日8時間(週40時間)という労働基準法で定められた労働時間規制を廃止し、働いた時間の長短に関係なく賃金を支払う仕組み。長期休暇を取りやすくなるなど柔軟な働き方の拡大が期待される半面、企業が残業代を支払わなくてよくなるため労働組合などは「長時間労働を誘発する」と反発している。安倍晋三首相は導入に意欲を示しており、政府の産業競争力会議が実施に向けた課題などを議論している。

 厚労省は、対象職種として為替ディーラーやファンドマネジャー、IT分野の専門職などを想定。収入基準については産業競争力会議の民間議員から示されている「年収1千万円以上」などの案を検討する。来年の通常国会に労働基準法改正案を提出したい考えだ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140523/plc14052319340030-n1.htm

 政府が何か法案を可決させたいと言う時は、なにかそこには狙いがある。政府の狙いとは簡単で、政府が得をするように法律を整備することだけだ。その狙いを正しく理解しておく必要がある。

「残業代ゼロ」で得するのはだれ?

 労働時間に関わらず賃金を一定にする、いわゆる「残業代ゼロ」政策の議論が本格化してきました。残業代ゼロで得するのはいったい誰になるのでしょうか?

 この政策は、ホワイトカラーエグゼンプションと呼ばれているものですが、これまで時間によって支払われていた賃金を、成果に応じたものに変えるという制度です。現在、法定労働時間を超えた仕事については残業代が支払われていますが、対象職種を決めるなどして、残業代を支払わないことを可能にしようというものです。現段階では「過半数組合を持つ企業に限定し、一定の責任と能力がある社員」「世界レベルの高度専門職」などの案が出ています。

 この制度が導入された場合、得をするのは、高い成果を短時間で上げていた人ということになります。これまでは、成果に関わらず、残業を多くこなした方が、より多くの給料をもらえるという状況でしたから、仕事が速い人も遅い人も皆、一律に残業していました。残業代が出ないということになると、仕事が速い人は、さっさと仕事を終わらせて帰宅する可能性が高くなります。このような人は、より充実した生活を送ることができるようになるでしょう。人事コンサルタントの城繁幸氏は、高度人材に限定するという条件付きではありますが「残業チキンレースにさよならできる」として、この議論を前向きに評価しています。

 逆にこの制度で損をする可能性が高いのは、仕事があまり速くなく、社内政治に弱いなどの理由で、仕事を押し付けられるタイプの人です。ただし、年収も高いのであれば、それだけの給料をもらっている以上、こうした事態にもすべて自己責任で対処すべきという考え方には一定の説得力があります。

 問題は、責任と能力があるとみなして、一般社員にも拡大してこの制度が適用された場合です。いわゆるブラック企業的な会社では、成果で評価するような仕事ではなく、単純に労働時間に比例するような仕事に対しても、こうしたルールを適用し、無制限に残業をさせる可能性があります。そうなってしまうと、得をするのは、その会社の経営者だけで、社員は皆、疲弊してしまうということにもなりかねません。

 あくまで一般論ですが、日本企業におけるホワイトカラーの生産性は諸外国に比べて低いといわれています。そもそも売上げが伸びないので生産性が上昇しないという事情もあるのですが、労働環境の影響も無視できません。つまり、1人で出来る仕事を2人でこなしていたり、時間内に終了するはずの仕事を無理に引き延ばしているわけです。高度人材に限った形であれば、残業代ゼロ政策は企業の生産性向上に効果があると考えてよいでしょう。

http://thepage.jp/detail/20140603-00000001-wordleaf

 色々細かい規定などは見ていないが、恐らく、この法案は結果的に会社側が得をする法案となることだろう。

 私は、大手企業に勤め、ホワイトカラーで働いている。しかしその中身はひどいものだ、今でも残業は80時間程度やっているが、支払われる残業代は月に30時間である。

 では、本当に会社がこの残業代を払えないかと言うとそうではない。最近の会社の傾向は、景気の悪いときには賃金を抑え、良くなってもその企業収益上昇分は上げない。実際に大手企業の内部留保(会社の貯金)は史上最大となっている。つまりザックリ言うと労働者に払うより貯金に回すほうが多いためこのような現象が起きる。

 私が勤めている会社も成果報酬型の賃金体系としているが、その中身もまたひどい。
成果は誰が決めるかと言うと会社側だ。しかし前述しているように、80時間の残業が30時間の支払いにしかならない管理を行っている会社が、成果について正当な判断が出来るとも思えない。私の知っている限り、サービス残業を強いている会社はかなり多い。

 この制度も従業員の仕事の管理がきちんと行われているのが前提の企業で適用されればいいのかも知れないが、そんな企業は日本にそれほど多くないのではないかと思う。そんな中、この法律があ適用され、拡大解釈により、単純に残業代なしということだけがクローズアップされ従業員の給与低下につながることが心配だ。

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